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蕩けるようなキスをして
第30章 友達以上
「…離して」
意味はなさそうだけど、一応、伝える。
「離して、陸」
繰り返す華夜子を、陸は面白そうに、一瞥する。
「ちっとも言い方可愛くない。全然おねだりに聞こえない」
-だから、却下。
増々つけ上がる陸に、華夜子は抑揚のない一言を突き付ける。
「…蹴ってやる」
「えっ」
「また狙ってやる」
なんの事を言われているのか-陸は理解し、うんざりしたように肩を落とす。
「華夜って、なんでそう暴力的なんだろ。威勢のいい女は嫌いじゃないけど、乱暴過ぎるのはちょっと-」
「そうせざるを得なくしてるのは自分でしょっ」
「あの時は、華夜がどんなに狂暴かまだ分からなくて、正直油断してたけど。もう二度と、同じ手には引っ掛からない自信はある。俺のが絶対力あるから、簡単に抑え付けらえるし」
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