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第30章 友達以上

「…だって」
「だっても、でももない。気は強くてもいいけど、可愛くない女は好きじゃない」
周りの目に少しも臆する事なく、陸は華夜子に告げた。
「離して欲しいなら、俺に可愛くねだってみろよ、華夜－」
いい加減にして－思うのに。
嫌がっていない自分も、いる。
心地良く感じている自分が、いる。
もっとされたい－そう、思ってしまう自分。
確かに、いる－。
彼に包まれ、全てを持って行かれそうになった時。
なあ、離さなくていいの？－愉快そうな陸の声に、朦朧としていた意識が戻る。
「お仕置きに全然なんないけど。ま、いっか」
調子に乗って耳どころか首筋に吐息をかけられ、背中がぞくぞくする。
けれど。
お蔭でようやく、自分の置かれてる状況を、はっきり思い出す。