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第30章 友達以上

「…友達以上、かな」
恥ずかしそうな華夜子の声音に、下降の一途を辿っていた陸の気分は、あっと言う間に上昇する。
目の前が、一気に明るい光に包まれる。
多分それが、今の自分にとって、最高の立ち位置。
「…そっか」
素っ気なく返答するものの、内心は滅茶苦茶、嬉しい。
現金だな－思うけど。
この少量の千切りなら、何とか食べれるかも－ずっと苦手だった人参すら、今日は挑戦してみようかという気になってくる。
ほんと俺ってガキだな－ようやく、陸は箸を口に運び出す。
時間があまりない事に気付かされ、華夜子もそんな陸に追従するように、残りのお弁当にとりかかる。
なんとなく、隣りの様子を伺っていた華夜子は、次の瞬間、小さく驚く。
「あ…！」