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蕩けるようなキスをして
第30章 友達以上
我に返り、慌てて、彼から身を離す。
明らかに、調子に乗ってるとしか思えない。
人気のない場所なら、ともかく。
こんな大勢の、知り合いも混じる、お昼時の大学のカフェテリアの中で。
もう十分、注目を浴びてるのに。
いつまでもやってる場合じゃない。
せめて、時と場所を考えて欲しい。
「人に見られてるって。あなたは存在そのものが、既に目立ってるんだから、更に人の気を惹くような真似-」
「だって、見せ付けておかないと」
陸は悪びれもせず、華夜子の声に自分のそれを重ねた。
「…見せ付ける?」
華夜子は眉を顰(ひそ)める。
「華夜に…悪い虫がつかないように。華夜には俺がいるんだって、周りの奴らに分からせておかないとさ」
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