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蕩けるようなキスをして
第30章 友達以上
全てをなかった事には出来ない。
彼だけに全部を捧げる事は、まだ難しい-どうしても。
罪悪感もある。
だから、まだ。
もう少し、待ってて欲しい。
申し訳ないな-思うけど。
彼を好きになる度に、あのひとを必要以上に思い出さなくなってきている。
完全にそうなるのは、いつなのだろう。
問われれば、正直いつなのかは、自分にも分からない。
その時まで、待っててくれるのな。
待ってて欲しい。
私の我儘だけれども…。
「…聞いてる?華夜」
限りなく近く-と言うか、はっきり言えば、陸の唇は思いきり、華夜子のそれに触れていた。
「な、ななな、何っ?」
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