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蕩けるようなキスをして
第30章 友達以上
終わりまで、言えなかった。
華夜子の隣りで留以は目を大きく見開き、こちらに釘付けになっている。
彼の三人の友達も、知り合いだったのかと様子を伺っている。
それだけに限らず、同じ長テーブルに座る周りの学生達の注目も、密かに浴びていた。
増々熱くなった頬を隠すように、陸は頬杖を付き、再び大きなガラス窓に視線を戻してしまう。
「華夜…?」
留以が、覗き込んでくる。
いつ櫻葉陸とそんなに親しくなったの?-その顔は明らかに、そう、言ってる。
留以には、まだ何も言ってなかった-説明が必要。
加え、彼の友達も含め、周りの自分を見る、目。
外とは違い、大学の中では、緊張度は半端ない。
勿論、慣れていないのもあるけれど。
一瞬。
どうしようかと逡巡してしまうが、そういう事で迷うのはもう止める-決めたから。
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