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蕩けるようなキスをして
第29章 嫉妬
陸は、二度目の息を、深く吐(つ)く。
「明らかに、俺の話を信じてなくて。完全に、彼女に約束をすっぽかされた彼氏に仕立てられてさ」
その時を回想し、陸はうんざりしたように眉を顰(ひそ)めた。
「それでも未練がましく待ち続ける、憐れな彼氏にされてて。諦めていい加減帰る頃にお持ち帰りしよう、って肉食獣の雰囲気満々で、隣りに張り付かれたらさあ-」
-どう断ればいいか分かんないじゃん?
陸は窺うように、華夜子を見る。
同調を求められても-これまたなんと言っていいものか、複雑な心境の華夜子は口を開けない。
「華夜との待ち合わせがあるから、その場からは絶対動けないし。でも、約束の十時まではまだ大分時間があって。増々、惨めな彼氏に映るし。待ち合わせの時間がまだなだけで、華夜は絶対来るのに。でもそんな事、あの彼女には言えなくって。その内に、段々馴れ馴れしく、身体に触られたりしてきて…?」
自分が偶然目撃したのは、その頃だったのか-華夜子は思い当たる。
「明らかに、俺の話を信じてなくて。完全に、彼女に約束をすっぽかされた彼氏に仕立てられてさ」
その時を回想し、陸はうんざりしたように眉を顰(ひそ)めた。
「それでも未練がましく待ち続ける、憐れな彼氏にされてて。諦めていい加減帰る頃にお持ち帰りしよう、って肉食獣の雰囲気満々で、隣りに張り付かれたらさあ-」
-どう断ればいいか分かんないじゃん?
陸は窺うように、華夜子を見る。
同調を求められても-これまたなんと言っていいものか、複雑な心境の華夜子は口を開けない。
「華夜との待ち合わせがあるから、その場からは絶対動けないし。でも、約束の十時まではまだ大分時間があって。増々、惨めな彼氏に映るし。待ち合わせの時間がまだなだけで、華夜は絶対来るのに。でもそんな事、あの彼女には言えなくって。その内に、段々馴れ馴れしく、身体に触られたりしてきて…?」
自分が偶然目撃したのは、その頃だったのか-華夜子は思い当たる。

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