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蕩けるようなキスをして
第29章 嫉妬
拗ねたように、目を伏せられた。
何かを言えばいいのだろうけれど。
華夜子もまた、何をどう言えばいいのか迷い、結局彼に何も答えられない。
暫しの沈黙を破り。
陸は再び、開口する。
「そしたらさ。結構前から目ぇ付けられてたらしく。『三十分前からずっと待ってるけど、彼女とは何時に待ち合わせなの』ってまた訊いてくるから『もうすぐで来る』って」
「…」
「それで一回は諦めてくれたんだよ。でもまた三十分後に、側に寄って来て-」
-もう一時間も待ってるじゃない。彼女にすっぽかされた?
陸は深く、息を吐(は)いた。
「まあさ。一時間もおんなじ場所に突っ立っていたら、流石にそう思われても仕方ないなと。それでも『遅れてるけど、もうすぐで来るってラインあったから』とか適当に理由付けて、どうにか向こう行ってくんないかなって思ってたんだけど-」
-彼女が来るまで、一緒にいさせてよ。来たら、いなくなるから。
何かを言えばいいのだろうけれど。
華夜子もまた、何をどう言えばいいのか迷い、結局彼に何も答えられない。
暫しの沈黙を破り。
陸は再び、開口する。
「そしたらさ。結構前から目ぇ付けられてたらしく。『三十分前からずっと待ってるけど、彼女とは何時に待ち合わせなの』ってまた訊いてくるから『もうすぐで来る』って」
「…」
「それで一回は諦めてくれたんだよ。でもまた三十分後に、側に寄って来て-」
-もう一時間も待ってるじゃない。彼女にすっぽかされた?
陸は深く、息を吐(は)いた。
「まあさ。一時間もおんなじ場所に突っ立っていたら、流石にそう思われても仕方ないなと。それでも『遅れてるけど、もうすぐで来るってラインあったから』とか適当に理由付けて、どうにか向こう行ってくんないかなって思ってたんだけど-」
-彼女が来るまで、一緒にいさせてよ。来たら、いなくなるから。

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