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蕩けるようなキスをして
第29章 嫉妬
彼女に気付かれぬよう、陸は小さく苦笑いを漏らし、先を続けた。
「スマホを穴が開くほど見詰めてたら、いきなり華夜から送られてくるんだもん。反則級の嬉しさだよ。…ほんっと単純なんだよ、俺。もうそれだけで、堪らなく幸せで。すっかり気を良くしてさ。今さっき別れたばかりなのに、またすぐに華夜に逢いたくなって。逢いたくて仕方なくなって。勢いついて、いつ逢えるのかなんて、連呼して。かっこつけれないんだよな。逢いたいものは逢いたい。それしかない。それしか言えない。ストレートに、自分の気持ちをぶつける事しか出来ない」
自分の前髪を弄び始めた陸を横目に、華夜子はなんて言ったらいいのか考えあぐねる。
凄く、凄く、嬉しい事を言ってくれてる。
素直に受け入れ、自分も喜びたい。
でも。
でも-。
「引かれるかなって、我ながら思わなくもなかったけれど。でもまさか、華夜も、逢いたいって。俺にまた、逢いたいって。この俺に、また逢いたいだなんて。そんな風に思ってくれるなんて。その日から、今日がどんなに待ち遠しかったか。どんなに、すげー心待ちにしてきたか」
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