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蕩けるようなキスをして
第3章 中庭
行く先々で陸と同等に扱われ、興味深々に全身を隈(くま)なく学生達に見られ続け、華夜子は程なく音を上げる。
「…手を離して」
華夜子の消え入るようなそれに、陸は前を向いたまま、薄ら笑いを浮かべた。
「俺の新しい女だって思われたら恥ずかしい?明日から大学に来れなくなる?」
「…そういう事、でもなく」
それ以前の問題。
ただただ、慣れてない。
とにかく、全然慣れていない。
こんなにも、常に、誰かに見られる事。
それがまず、どうにも我慢ならない。
彼はよく平気だなと、つくづく華夜子は関心する。
「残念だけど、離す気ないから」
陸は、華夜子を見下ろし、悪い笑顔を作った。
「公開処刑中だから」
「公開…何?」
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