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蕩けるようなキスをして
第27章 約束
「華夜!」
もう一度。
陸は、彼女を求めた。
繋いだ手を急いで引き寄せ、彼女の身体を自分に近付ける。
限りなく、近くなった、ふたりの、顔-…。
驚いている暇なんかなかった。
停車に向けてブレーキをかける電車の音。
負けじと声を張り上げる彼の必死の表情。
彼が自分向けて一生懸命訴えている。
聞き洩らしてはならないと、華夜子もまた必死に耳を傾けた。
「…くれる?」
「陸?」
「…逢ってくれる?」
「陸?」
「また、逢ってくれる?」