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蕩けるようなキスをして
第27章 約束
「え…?」
「こんな女、今まで会った事ねーって。…多分、その時から、本気で華夜子を好きになっていった」
「なっ!?」
華夜子の顔はみるみる、羞恥に染まる。
陸のそれもまた、同じように変わってゆく。
「こっ、股間蹴られて、それが切っ掛けで好きになったって、何それっ?」
「馬鹿!だから、いつも声がでかいって!」
窘められ、慌てて口を噤むが、多分ちょっと遅かった。
擦れ違った人達に、奇異の目で見られていた事に気付く-穴があったら入りたい…。
火照った頬に手をあて、何とか熱を冷まそうとする華夜子の耳に、陸の独り言のような声が届く。
「俺ってマゾなのか?」
「そんなの知らないわよっ」
喚き立てる華夜子に、陸の喉が鳴った。
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