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蕩けるようなキスをして
第27章 約束
消え入りそうなか細い声で、華夜子は問う。
「今と見た目が違ったとしたら。陸は、私と今日、どこかに行きたいなんて思わなかった?」
鼻が高かった。
気分が良かった。
そうじゃなければ。
そんな私じゃなければ。
今日、一緒に歩きたい-そう、思ってくれなかった?
まさか-思うけど。
でも。
でも-…。
ともすれば泣き出しそうな表情の華夜子に、陸は一瞥した後(のち)、ぼそりと吐き出した。
「…膝蹴り」
「え?」
「…膝蹴りされて、虜(とりこ)になった」
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