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第27章 約束

弱々しく、首を振る。
そんな風な目で、見られた事なんか。
そんな風な目で、不特定多数の人に見られた事なんか。
そんな経験、今までない。
彼の誤解だ。
でなければ、彼のせいだ。
彼と一緒にいると、ついでのように、品定めされるから。
だから－。
華夜子、覚えてる？－陸は隣りを歩く彼女に問い掛けた。
「初めて華夜子に逢った時さ『昨日から、綺麗なおねーさんだなって、ずっと思ってた』…俺がそう言ったの、覚えてる？」
何もかもを全て溶かしてしまいそうな、甘過ぎるそれで、陸は華夜子を掴まえた。
「華夜は綺麗だよ。自分で自分の魅力に気付いていないの？勿体ない」
笑われ、思わず恥ずかしくなって、視線を逸らす。
「…極々、普通だよ、私は」