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蕩けるようなキスをして
第27章 約束
華夜子は呟く。
「…ほんと、今までそんな事なかったし」
「そう?なら、何故か悪目立ちしてしょーがない俺と歩く事によって、華夜子も目立つようになっちゃったのかな?…まあ、いーじゃん。みんな見惚れてたんだから」
軽い調子で言われる。
いーじゃん-そう、言われても。
はい、そうですか-あっさり頷けるはずもなく。
そんな事ってあるのかな-華夜子は思う。
今日、自分に向けられる目は全部、隣りを歩く彼に相応しいかの試験だと思ってた。
それが違った?
少しは自分自身にも向けられていた?
今までずっと、自分は良くも悪くも平均的かな-そう思って、生きてきた。
それで良かった。
それで満足だった。
まるきり信じてないだろう彼女の様子に、陸は躊躇いながらも訊いてみる。
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