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第27章 約束

「美人で。スタイルも良くて。色っぽくて。可愛くて。女らしくて。そんな華夜子を、擦れ違う度、男はみんな見てた。振り返って見直す奴だって。そこまでの女を、今日一日連れて歩いてた俺が、どれだけ鼻が高かったか分かる？あの美人の彼女の彼氏なんだって、羨望の眼差しで見られながら歩くって、どんだけ気分良かったか分かる？…最高だよ、華夜子」
陸は誘（いざな）う如く、華夜子に妖しく微笑んでみせた。
「すげー最高だったに決まってる、華夜－」
「…私を？」
彼は何を誤解して、そんな事を言っているのだろう？
華夜子は、いよいよ混乱してしまう。
「どこへ行ってもみんなが見てたのは、陸だよ…？陸をみんな、見てた」
なんでそんなに注目されるのか、正直ほんと良く分からないんだけどな－彼女の言葉に苦笑しつつ、陸は続けた。
「まあ、確かに俺も見られてたんだろうけどさ。でも、華夜子の事だって、美人だなあってみんな振り返っていたよ。気付かなかった？」
「…気付かないよ。ってか、私、本当にそういうのじゃないし」