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蕩けるようなキスをして
第3章 中庭
「だ・か・らっ!とにかくお願いだから、大きな声を出さないで。あなたの存在自体、一挙一動がとにかく目立ってしょうがないの。一緒にいる私まで、ついでに注目浴びちゃうから止めてよっ」
華夜子の懇願に、陸は身体を揺らしつつ、言い放つ。
「注目の的、大いに結構。人に見られるのって快感じゃん?それこそセックスみたく」
「そんなの一握りの人間だけだって。あなたみたく、生まれついての慣れっことは違う。大抵は-」
「恥ずかしい?」
陸は笑いを封印した。
昨日のように、瞬時に、急に真面目な顔つきになって。
「俺と一緒だと、何をするにも人の目があって、恥ずかしい?」
陸はもう一度、真摯な眼差しで、彼女に問う。
ふざけたいつものそれとまるで異なる一面に、華夜子の心は素早く攫われてしまう。
「頭の弱い女に見られるから、俺とは一緒にいたくない?」
自分自身が昨日彼に告げた言葉。
華夜子の頬に、朱が差す。
「それは…」
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