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蕩けるようなキスをして
第26章 彼の隣り
「俺の気持ちを知ってるくせに、本気で言ってる?俺の気持ちを知らないなんて、もう絶対、言わせない-」
どきどきし過ぎて、過呼吸を起こしそう。
華夜子は、震える唇を噛み締める。
彼女の香りに酔いしれながら。
彼女の柔らかさに蕩けながら。
陸は言った。
「そんな女は、華夜子しかいない。華夜子しか、俺は知らない-」
聞こえてるんじゃないか。
きっと、聞こえてる。
つくづく、情けない-思うけど。
こんな弱い自分も、確かに、紛れもない『自分』で。
勢いに任せて、抱いた彼女の肩から手を離すぐらいなら。
大きく波打つ自分の心臓の音を聞かせるぐらい。
弱いのも。
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