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蕩けるようなキスをして
第26章 彼の隣り
逡巡しながら、絡めた指と指に視線を落としていると、彼女の声が耳を掠めた。
「…思ってないよ?後悔なんてしてないよ?凄く、楽しいよ?」
-そう、言ったじゃん?
華夜子は俯いたままの陸の横顔に、同意を求める。
「…嫌な思いもさせてる」
陸の茶色の瞳が狭まる。
「見られるのも、何か言われるのも、最初から覚悟してるよ。大学で散々学習したし…。大丈夫と言ったら嘘になる。でも、だから、それは-」
-平気。
って言うか、平気になるように、もっと、図太くなる必要がある。
だから。
私じゃなく、あなた。
あなたが、私でいいのかって、事-。
「…そんな大注目する程のイケメンか?」
大仰に溜め息を吐き、陸はかねがね疑問だった事を、彼女にぶつける。
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