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第26章 彼の隣り

「華夜子がたかだか、俺程度の男に、そんな卑屈になる必要なんて全然ない。考えるまでもない事だ。寧ろ、華夜子が恥ずかしい思いをしてたんじゃない？」
「陸…？」
「後悔してない？…俺と今日一日、一緒にいる事。やっぱり、悔やみ始めてるんじゃない？」
離したくない。
この手を、離したくない。
思っているのに。
そんな気持ちとは裏腹に、何故、離さなければならない方向に向かってしまうのだろう。
ただ、好きなのに。
ただ、好きなだけなのに。
ただ、この手を、お互いが家に帰るその時まで、握っていたいだけなのに。
そして。
出来る事なら、次も。
その次も。
ずっと、ずうっと、繋いでいたいだけだ－…。