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蕩けるようなキスをして
第26章 彼の隣り
「華夜…?」
言いようのない不安が、押し寄せる。
少し前までとは明らかに異なる彼女の様子に、陸の心臓は波打つ。
それなりに、楽しく過ごしていたと思っていたけれど。
身に覚えはないけれど。
募る、不安-…。
「…陸はどこでも注目の的だね」
華夜子の呟きに、陸は眉を顰(しか)める。
「…なんか、私でいいのかな」
「…何を?」
「陸と一緒に歩くの。私でいいのかな」
「どういう意味?」
陸の表情が強張る。
「どこに行っても、皆、陸を見てる。駅までの道のりも。電車の中でも。ご飯を食べている時も。洋服を見てる時も。バレッタを見てる時だって」
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