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蕩けるようなキスをして
第25章 デート
「…あれは。華夜子を、離したくなかったんだよ。悪いか」
吐き捨てるように呟き、陸は華夜子から瞳を外した。
僅かに頬を紅潮させ、栗色の髪をわしわしと手で乱す。
言った本人も相当恥ずかしそうだったが、華夜子もまた、文字通り、心臓が口から飛び出てしまいそうだった。
『離したくなかった』
そんな事、言われたら。
そんな事、言われた事ない。
そんな事、初めて言われた。
恥ずかしくて。
緊張して。
嬉しくて。
何故かちょっと腹立だしくて。
たった一言で、自分を良くも悪くも大きく動揺させる彼に、怒ってしまって。
でも、嫌じゃない。
全然、嫌じゃなくて。
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