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蕩けるようなキスをして
第25章 デート
このイケメンに、この彼女?!-みたいな、冷ややかな視線が無数の針となり、ちくちく刺さってるのに。
それに密かに耐えてるのに。
そんな事したら、どうなってしまうか。
想像するだけで、恐ろしい-。
口を噤み、眉に皺を寄せ、俯き加減の彼女に、陸は一笑した。
「冗談だよ」
たった一言告げて、陸は自らの皿に残ってる料理を平らげようと、フォークを刺した。
困らせてるのが、すぐに分かった。
これ以上、彼女をどうかしようだなんて。
初めてのデートで、これ以上、彼女を困らせるなんて。
一口欲しくなかったのかと言えば(色んな意味で)嘘になる。
一口食べさせて欲しくなかったのかと言えば、大嘘になる。
でも、今日は、いつもとは違う特別な一日だから。
ただ、楽しく、過ごしたいから。
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