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蕩けるようなキスをして
第2章 櫻葉陸
ただし、本当に、怒っているのではない-口元は、愉快そうに歪んでる。
「…乃愛は、ただのクラスメートだし」
華夜子は流石にばつが悪くなり、俯き、小さなそれで呟く。
「クラスメートの悪口言っちゃ駄目じゃん?」
「…」
形勢逆転。
年下の彼に説教される形となる。
その通りなので、言い返せない。
口を噤んでいると、
「ま、実際俺の取り巻きは、皆頭良くはないけどね」
陸の声に、華夜子は顔を上げる。
「取り巻かれてる俺が、一番しょーもないから仕方ない。許してやってよ」
弾けるように、陸は笑った。
瞬間、華夜子は彼に強く惹き付けられ、目が離せなくなる。
彼もまた、彼女の動かぬそれに、面白そうな表情(かお)で応える。
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