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蕩けるようなキスをして
第73章 RtoK
「あの時は…切羽詰まっていたから。まだ学生の身で。相手は二十も年上で。大学の先生で。加えて、病気だなんて…普通の親なら大反対するよね。だから…言えなかった。ましてや、短期間で説得するなんて。先生は、お母さんの許可がなければ届は出せないって言っていたけど…保証人欄は、結局空欄のままだった。あとひとりは、先生のご両親が書く予定だったけど…そもそもする気なんかなかったから、話もしていなかったみたいだし。嘘つきだよね、先生」
華夜子は、声を立てて笑った。
「でもね、私とどういう関係だったのかは、話してくれてたよ。とても驚かれたけど、そのお蔭で私、最後まで先生の側にいてもいいって言ってもらえた。それは凄く感謝している」
そこまで話して、華夜子は苦笑した。
「ごめん。なんか関係ない事、沢山喋っちゃった。陸に訊かれた事、答えようとしただけなのに」
それはもういいよ-陸は華夜子を制しようとしたが、彼女の方が早かった。
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