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蕩けるようなキスをして
第73章 RtoK
ほんの少しだけ泣きそうになってしまい、華夜子はポケットの中の陸を求める。
それに気付いた陸は、彼女の指を自分に絡め直し、握り締めた。
「それにようやく気付いた。私、本当に先生に愛されていた。だから、名前しか書かなかった。もう、書きかけの婚姻届なんか必要ない。だから破いた。そんな紙切れなんかなくっても、先生の想いはちゃんと受け止められたから」
-家に帰ったら、ゴミ箱に捨てちゃうね。
華夜子は鞄に目をやった。
「あ、でも、マ…お母さんには見付からないようにしなくちゃね。だって、私がこんな紙を書いてた事、お母さん知らないし。知れたら大変」
華夜子の何気ない呟きに、陸は引っ掛かるものを感じた。
「お母さん…知らなかったの?」
「うん。言えなかった」
「華夜は…その、無断でしようとしていたの?」
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