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蕩けるようなキスをして
第73章 RtoK
「結婚てさ、ふたりだけの問題じゃないじゃない?両親や周りの人達にも報告して、きちんと認めてもらって。色んな事を話し合って、そうやってやっと結婚に至る訳じゃない。私を好きな気持ちは本当で、将来を誓ってくれたのも嘘じゃない。でもそれは、そういう過程をきちんと踏んでからの話で。だから、病室で私が提案した時、凄く驚いたと思う。それでもいいよって言ってくれたのは…残り僅かの時間しかないのを知っていたから。その届を出す事は決してないって、分かっていたから。だから、自分は名前だけ。残りは私が誕生日に書いた後でねって、書いてくれなかった。そういう過程を経ない限り、例えもうすぐで別れがくるとしても。別れが来るからこそ、私とは出来ないって。私を大切に想ってくれていたからこそ、無責任に書けなかった」
華夜子の口元が淋しげに歪む。
「先生が死んだ後、名前しか書いてくれていなかったのを凄く恨んだ。書いてさえくれれば、とっくに市役所に出しに行けてたかも知れないのにって。例え数日でも、先生と私は一緒になれてたかもって。…でも今は、名前しか書いていなかった先生に感謝しかない。結婚は好きだからするのであって、それを何かの『手段』にしちゃいけない。私が何れそう悩む事もちゃんと知っていてた。自分が死んでからもずっと後悔させたくないから…だから、先生は」
-私とは、本当にはしなかった。
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