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蕩けるようなキスをして
第73章 RtoK
「先生の事は本当に好きだった。結婚してもいいって思った事も本当。名前を書いた時の気持ちも、一切偽りない。…でも密かに、ずっと気にしていた。結婚を結局『手段』にしてしまっていたなって。満足にふたりで出掛ける事も叶わず…それに追い打ちをかけるように、先生が病気になってしまって。もう切羽詰まっていたと言うか、焦っていたと言うか。堂々とふたりが一緒にいれる手段が、他に思い付かなくて。…そして、残された時間が、もう僅かかもしれないと感じ始めてしまったら。もう今すぐ結婚したいって思った。誰にも何も言わせない関係になって、一日でも長く、先生と一緒にいたいって。だから私、先生に言ったの。『先生、私と結婚して』って」
泣いてしまわないだろうか-自分が言わせているようなものなのに、陸は胸を痛めながら華夜子の話に耳を傾ける。
しかし。
その横顔から涙が出る事はない。
それにほっとするような。
逆に痛々しさが増すような。
とにかく非常に複雑な思いとなる。
泣いてしまわないだろうか-自分が言わせているようなものなのに、陸は胸を痛めながら華夜子の話に耳を傾ける。
しかし。
その横顔から涙が出る事はない。
それにほっとするような。
逆に痛々しさが増すような。
とにかく非常に複雑な思いとなる。

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