パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第73章 ＲｔｏＫ

陸の言葉に、華夜子に不安が過（よぎ）る。
「え…入るかな」
細い指だと思ってくれたのは多分嬉しい事だけど、でもこれで実は入りませんでしたでは－正直、恥ずかし過ぎる。
緊張していると、陸が尋ねてきた。
「どの指がいい？」
自分に今、嵌めてくれようとしてる－華夜子はそれに気付き、躊躇いながらも開口した。
「左手の、薬指がいい…です」
かつて、別の指輪があった場所。
でも今は、もうないから。
その痕跡すら、もうないから。
新しいものを、そこに。
そんな日が来るなんて－思ってもみなかった。
華夜子の言葉に、陸はそれは嬉しそうに頷き。
彼女の左手を取った。