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蕩けるようなキスをして
第72章 最愛
「…冗談なの?」
「…」
「さっき言ってくれたのは…冗談だった?」
すぐに返してくれないのは-またいつもの意地悪だった証拠?
華夜子の心が失望と哀しみに包まれた時。
陸の呟きが届く。
「…冗談じゃねーよ」
「え…?」
「本気で言った」
真摯な両眼が、華夜子を捉えた。
「この俺が何言ってんだって思うけど。でも、ほんとにそう思ったから。好きなんて言葉だけじゃ、言い表せなくて。だからって愛って言葉が最上かと言われたら、頭の悪い俺にはそれも分かんねーけど。…でも。華夜を想う気持ちはもう、好きって伝えるだけじゃ足りない。全然足りない。好き過ぎて。大事過ぎて。大切過ぎて。悔しいくらいお前に溺れてる。こんなの今まで、誰に対してだって感じた事がない。華夜が初めてだ。華夜だけだ」
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