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蕩けるようなキスをして
第72章 最愛
「高階先生、考えなしに言ってたんじゃなかったんだな」
「大人だしね。勢いではしないよね。今でもあんま変わんないけど…あの頃の私はまだまだ子供で、言われたまんま最初は信じてびっくりしちゃった」
「まあ、そんな風に言われたら、誰でも初めは驚くと思うよ」
陸の手にみっつめのボタンを外され、華夜子の胸元が露わになり始める。
その白さ。
その眩しさ。
もうさっきも散々、目の当たりにしているくせに。
脱がせている張本人のくせに、陸は虜となり、眩暈を覚える。
よっつめをのボタンに手を、陸は華夜子を見下ろし、訊いた。
「卒業したらって約束が早まったのは…先生が病気になってしまったから?」
「うん…胸騒ぎがして。…それで、私が冗談半分で先生に言ったの」
-卒業したらの約束、早めたらだめ?
ベッドに座る高階先生を見据えて言えば-驚いてはいたけれど、反対はされなかった。
今から思えば先生は、自分のこれからの運命を感じ取っていたのだろう。
その約束は-多分果たせない。
だからこそ『うん』と言えたのだ。
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