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蕩けるようなキスをして
第72章 最愛
『今年の夏休みには、こっちに遊びにおいで?それから、どこかちょっと遠い所へも、ふたりで出掛けよう?…大丈夫。御堂さんに迷惑は掛からないように、気を付けるから。それにその頃は、御堂さんも正真正銘の大人になってる。万が一誰かに見られたとしても、誰も僕たちを咎める理由がない。悪い事など何もしていないのだから』
先生からの少し早い初めてのデートの誘いに、胸は破裂しそうに高鳴っていたけれど。
でも。
もしも。
先生の将来に傷が付いたりしないだろうか-そう考えると、手放しでは喜べない自分もいた。
躊躇う私に、高階先生は一笑に付した。
『僕の将来?そんなもの、全然大したものじゃない。壊れようが、失われようが、構いやしない。将来があるのは、御堂さんの方だよ。若くて、これからなんだって出来る未来が待っている。…なのに、いいの?』
先生の言ってる意味が分からなかった。
『それなのに、本当に僕でいいの?御堂さんが一番きらきら輝いて楽しい時期に、僕はただ淋しがらせるだけで。側にいる事も出来ない』
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