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蕩けるようなキスをして
第71章 証
どう答えたらいいものか。
今更誤魔化したりするつもりなど毛頭ないのだが、つい濁した言い方となってしまう。
そんな華夜子の様子に、陸は苦笑した。
「高階先生の事でも考えていた?」
さり気なくその名を口にされ。
華夜子の心臓は飛び出そうになる。
増々-言葉に詰まってしまう。
「上手く返せないのなら嘘でも『陸の事を考えていた』って、言っておけばいいのに」
-そしたら単純な俺は、すげー喜ぶのにさ。
からかわれるがそんな事、実際言えるはずもなく。
華夜子が項垂れれば、後ろから頭を撫でられた。
「…ごめんなさい」
「なんの悪い事もしてないのに、いちいち謝ってくんなよ」
「…でも。陸、怒るかなって」
恐る恐る確認すれば、ドライヤーの機械音が止んだ。
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