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蕩けるようなキスをして
第69章 求める夜
「最初から華夜の中は、滅茶苦茶気持ち良過ぎなんだよ。だから終わる気なら、とっくにそうしてる。でもそうしないのは、華夜ともっとこうしていたいから。華夜と一緒にもっと、気持ち良くなりたいから。その為に必死に耐えてる。ちょっとでも気を緩めたら、いきそうになるから、頑張って我慢してんだよ。辛そうに見えて当たり前だ」
陸の言葉に、華夜子の顔は瞬時に柔らかなものとなる。
とてつもなく恥ずかしかったが、とてつもなく嬉しかった。
「…そ、なら」
胸に迫る気持ちそのままに、彼に伝えればいいだけなのに。
気恥ずかしさが先行し、つれない言い方となる。
「それなら、もうちょっとそれらしい顔してよ。平気そうな顔でずっといるから、なんとも思ってないのかなって思うに決まってるじゃないの」
華夜子が可愛くなく告げれば、陸は大袈裟に溜め息を吐く。
「馬鹿。そんなの顔に出せば、気が緩んであっと言う間に終わりなんだよ。分かれよ」
「…」
「感じたまま、すぐに腰振って応えたり、大声で悦ぶ訳には俺はいかないんだよ」
陸のひとことに、華夜子の全身は燃えるように熱くなる。
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