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蕩けるようなキスをして
第69章 求める夜
「もしも華夜に、俺の昔の話を聞きたいと言われたのなら、なんでも隠さず話すけど。でも、きっと、俺の方こそ、数分で華夜に嫌われておしまいだと思う。話す前からそれが分かるのに…俺からは言えない。情けないけど、そんな勇気ねーよ」
「…」
「全部を曝け出せば、もしかしたら嫌われてしまうかもしれないのに。それでも言わなきゃ、分かって欲しい、隠し事はしたくない…きっとそう思って、華夜は俺に話してくれた。どれだけ心を奮い立たせ、どれだけの勇気を出して言ってくれたんだろうって」
「…私。そんな褒められるような事、してないよ」
陸の柔らかな声を耳朶に。
華夜子は、小声で呟く。
「言わなければ、多分これからもずっと分からない事で。なのに、話そうだなんて、ただの自己満足なんじゃないかって。黙っている事が辛くって、ただ自分が少しでも楽になりたいからなんじゃないかって。陸が驚いて戸惑う事なんて、最初から分かり切っているのに。散々悩んだ。…それでも私、陸に話す事に決めたの。どんな私でも、全部を知って欲しかった。そしてこんな私だけど…これからも好きでいて欲しいって。今まで沢山陸に辛い思いをさせてきたのに、挙句、最後の最後までこんな重たい告白で。ほんと、虫が良過ぎて笑っちゃうよね」
「…」
「全部を曝け出せば、もしかしたら嫌われてしまうかもしれないのに。それでも言わなきゃ、分かって欲しい、隠し事はしたくない…きっとそう思って、華夜は俺に話してくれた。どれだけ心を奮い立たせ、どれだけの勇気を出して言ってくれたんだろうって」
「…私。そんな褒められるような事、してないよ」
陸の柔らかな声を耳朶に。
華夜子は、小声で呟く。
「言わなければ、多分これからもずっと分からない事で。なのに、話そうだなんて、ただの自己満足なんじゃないかって。黙っている事が辛くって、ただ自分が少しでも楽になりたいからなんじゃないかって。陸が驚いて戸惑う事なんて、最初から分かり切っているのに。散々悩んだ。…それでも私、陸に話す事に決めたの。どんな私でも、全部を知って欲しかった。そしてこんな私だけど…これからも好きでいて欲しいって。今まで沢山陸に辛い思いをさせてきたのに、挙句、最後の最後までこんな重たい告白で。ほんと、虫が良過ぎて笑っちゃうよね」

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