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蕩けるようなキスをして
第68章 告白と口付け
なんの冗談-私は乾いた笑いを漏らした。
嘘だよと、先生が訂正してくれるのを待った。
けれど。
どれだけ待っても、高階先生は口を開く事はなかった。
それが、先生の答えだった。
やっと、好きだと伝えた。
やっと、抱き締めてもらえた。
やっと。
これから-。
眉を顰め、どうにか涙を堪える私に、先生はいつもと変わらない穏やかな口調で告げた。
「前から決めていたんだ。地元に帰ろうと。四月からは、向こうの大学で働く事になっている」
「…なんで」
ようやく出た、私の声。
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