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蕩けるようなキスをして
第67章 彼だけ
乃愛が話を振ってきたので、華夜子は頷く。
「まあ、確かに美味しいよね。私も好き」
「確かに嫌いだって奴には会った事ないかも」
陸はひとり二個ずつ、包みを配った。
お礼を言い、その場で全員ありがたくいただく。
やがて、食べ終わった乃愛は留以と共に椅子から腰を上げた。
「じゃあ、約束通り、ふたりの邪魔をしちゃ悪いから私達帰るね」
「華夜子、また明日ね」
手を振られ。
華夜子もそれに応えるかのように、小さく手を振り返す。
友達の後ろ姿を見送っていた華夜子の耳朶に、不意に、陸の吐息がかかった。
「華夜。俺達もそろそろ行こうよ」
囁かれ。
条件反射で、身体中に電気が走る。
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