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蕩けるようなキスをして
第67章 彼だけ
「もうっ。いつも普通に喋ってって…!」
無駄だと知りつつも、一応注意する。
想像したまま、陸はその半分以上を適当に流し、華夜子に笑って見せた。
「元気、なさそうかなって思っていたけれど。いつも通りの華夜みたいで安心した」
陸の言葉に、華夜子の心臓が波打つ。
「これ…中途半端に配って余っちゃったけど、後は家ででも食べてよ」
白い箱を手渡され、華夜子は動揺を悟られぬよう、頷く。
「…ありがと」
「どういたしまして」
「…」
「なに、どうしたの?」
会話の続かぬ華夜子に、陸は苦笑いするしかない。
「…陸に逢うまで、どきどきしてたから」
「久々の再会に?」
冗談めかして言われ、華夜子はほんのりと赤くなる。
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