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蕩けるようなキスをして
第66章 秘密
それじゃあ、行こうか-促され。
私と先生は、研究室までの道のりを歩き出した。
途中。
特になんの会話もないまま、無言が続き。
程なく、先生の部屋へ到着した。
ドアを開ければ、この間と少しも変わらない本の山が私を出迎えた。
本と本の間を擦り抜け、本棚を漁る高階先生を佇んで待っていると、やがて一番上の棚から一冊の参考書を取り出した。
『どうぞ』
微笑みながら差し出された本を、私はおずおずと受け取った。
他に用事はなく、会釈をし、早々にその場を去ろうとした時。
『具合…大丈夫?』
呟きに思わず、先生の顔をまじまじと見詰めてしまった。
その驚いた私の顔にびっくりした先生は、程なく自信なさげに視線を落としてしまった。
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