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蕩けるようなキスをして
第65章 返事
話してくれたのをいい事に、次から次へと質問攻めにしてる自分。
一旦知ってしまえば、今度はもっと深く、知りたくなってしまう。
一夜を共にして。
名ばかりの関係ではなく、彼女を確かに自分のものとした余裕からくるのだろうか。
単純な自分に嗤ってしまう。
無理に、とは決して思ってないけれど。
「…うん。くれなかった、ずっと」
最初は少し驚いていた風だったが、やがて華夜子は困ったような表情で微笑んだ。
「次の日も、またその次の日も。ずっと、ずうっと待っていたけれど、いつまでも何も言われなかった。…本も、その日を境に貸してくれなくなった。だから、付箋を貼る事も出来なくて。講義の度に顔は合わせてはいたけれど、授業終わりに話掛けられる事もなくなった。講義の最中(さいちゅう)に偶然目が合った時も…すぐに視線を逸らされて。ほんとにもう…入学したての頃のような関係に逆戻りしてた。…ああ、やっぱりって」
「やっぱり…?」
陸は訊き返した。
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