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蕩けるようなキスをして
第64章 代わりじゃない
本の中間辺りに貼られた、ピンクの付箋。
存在を誇示し、少し不自然なくらいはみ出ていた。
一瞬。
自分が書いたものかと思った。
だって返事なんて、もらった事なかった。
欲しくないと言ったら嘘になる。
でも。
先生の立場なら当然だった。
それが普通だと理解していたから。
だから。
先生が教室を出て行った後、本を開くのが正直、怖かった。
『もうこういう事は止めて欲しい』
そう、書かれてる気がして。
迷惑に思われてる可能性は十分あった。