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蕩けるようなキスをして
第64章 代わりじゃない
その奇跡が自分にも起こり。
無理だと思っていたけれど、伝えて良かった。
伝える事さえ諦めていたら、今こんな風に一緒にはいられなかった。
「…どうやって」
ふと思った疑問が、口をついて出る。
華夜子の視線に気付いた陸は、誤魔化すように笑う。
なんでもない-言い掛け。
でも、やっぱり気になり。
今日の自分は、随分知りたがりだと思いつつも、華夜子を見た。
「無理に訊こうだなんて思ってないのを前提に。気軽に自由に話す事も出来なかったのに…好きだなんて、どこでどういう風に伝えられたのかなあって」
至極当たり前の疑問だと、華夜子は思った。
華夜子は微笑み、過去に想いを馳せる。
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