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蕩けるようなキスをして
第61章 恋と憧れ
更に紅を増しつつ。
それでもようやく、私は頷いた。
「正解です…高階先生」
その答えに、先生は嬉しそうに目を細めた。
「その…先生の授業は面白くて、とっても分かりやすいです。あんまり頭の良くない私でも、十分理解出来るくらいだから-」
-ほんと、先生って凄いな、って。
続けようとした時。
不意に。
手にしていたテキストのひとつを、先生が机の上に広げてきた。
訳が分からず、問おうとし-先に高階先生の方が、こちらに近付いてた。
テキストを覗き込む先生の前髪が、僅かに私に触れ、心臓が飛び出そうになる。
どぎまぎする私をよそに、先生がテキストを指差した。
「ここ。ちょっと今日は時間が足りなくて、急ぎ足になってしまったけれど-」
そのまま高階先生は、まるで講義をしているかのように、その部分の補足を始めてしまった。
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