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蕩けるようなキスをして
第60章 T
「特定する気は…なかったと言ったら嘘になるけど。でも、華夜の知らないところで、こそこそ調べるような真似したくないし。昔の男の事、今更分かったところでどうすんだって思ったし。だから、イニシャルを知っただけで、本当に終わるはずだった」
-でも。
陸の目が、僅かに狭まった。
「そう言えば去年大学辞めた先生がいたなって、ふと思い出して。しかも病死したって、後から噂で聞いてたし。そう考え始めたら、もう止められなくなってしまって。…ごめん」
謝る陸に、華夜子はただ首を振る。
「…そんなの。他のひとでも、ちょっと考えればすぐに分かる事だよ」
胸に顔を埋(うず)めてくる華夜子の頭を、陸は慰めるようにひたすら撫でる。
「他の先生が辞めたくらいじゃ覚えてもなかったし、分からなかったと思う。けど、高階先生、それなりに名前が知れてたし?…そして、イニシャルはTだときたらさ」
微かな溜め息と共に、陸は笑いを漏らした。
「高階透先生…苗字も名前も、先生の呼称も。ただの偶然だろうけど、気付いた時笑っちゃったよ。だってみんなTがつくんだもん。これはもう、間違いないって思った-」
-でも。
陸の目が、僅かに狭まった。
「そう言えば去年大学辞めた先生がいたなって、ふと思い出して。しかも病死したって、後から噂で聞いてたし。そう考え始めたら、もう止められなくなってしまって。…ごめん」
謝る陸に、華夜子はただ首を振る。
「…そんなの。他のひとでも、ちょっと考えればすぐに分かる事だよ」
胸に顔を埋(うず)めてくる華夜子の頭を、陸は慰めるようにひたすら撫でる。
「他の先生が辞めたくらいじゃ覚えてもなかったし、分からなかったと思う。けど、高階先生、それなりに名前が知れてたし?…そして、イニシャルはTだときたらさ」
微かな溜め息と共に、陸は笑いを漏らした。
「高階透先生…苗字も名前も、先生の呼称も。ただの偶然だろうけど、気付いた時笑っちゃったよ。だってみんなTがつくんだもん。これはもう、間違いないって思った-」

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