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蕩けるようなキスをして
第60章 T
華夜-気付けば、陸は再び、彼女の左隣りに横たわっていた。
「華夜はさ。これからもずっと、俺の華夜だよな?」
確認するように問われ。
「…うん」
陸の双眸から視線を外さずに、華夜子はしっかりと頷いた。
それは紛れもない事実だった。
彼女を疑っていた訳では決してないけれど。
それでも、彼女の口から今一度、聞きたかった。
張り詰めいていたものが緩み、陸は瞳を細めた。
「なら、いいよ」
自分だけの彼女を胸に抱(いだ)き。
陸は低く、呟いた。
「華夜が話したいと思う事があるのなら。俺は聞く」
「…陸にとっては、面白い話ではないと思う」
「まあ、だろうな」
陸は苦く、笑った。
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