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蕩けるようなキスをして
第60章 T
「だって。やっと華夜とこうして初めて過ごせたのにさ。もっと一緒にいたいよ」
心底残念そうに言われ、華夜子もつられ、ついしんみりしてしまう。
それは自分だって同じだ。
でも。
友達との付き合いも大事だし。
先の約束なら尚更、守らないといけない。
淋しいけど、我慢しないと-思ったのも、束の間。
陸の手が華夜子の身体をまさぐり始め、彼女は身を捩る。
「…って。珍しく陸の言葉に感動してたのに、すぐにやらしい事してこないでよ。折角の感動が台無し…!」
「正真正銘、華夜は俺のものになったじゃん。自分のものにいつ何をしようが、どうしようが、持ち主の自由だろ」
「ものとか、持ち主とか…私、れっきとした人間なんですけど…!」
物扱いに憤慨した華夜子などお構いなしに、陸の唇が、指先が、彼女の身体に触れ始める。
快楽を教え込まれたその身は、ものの数秒で熱を帯びてゆく-。
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