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蕩けるようなキスをして
第10章 卵焼き再び
自分に見られていると余計食べにくいだろうと、陸はジーンズのポケットからアイフォンを取り出し、なんとはなしに眺める振りを決め込む。
ラインを確認してみたり。
大学に来る以外、特段予定なんか入っていないのに、明日の天気予報を調べてみたり。
そんな陸の耳に、消え入りそうな謝罪が届く。
陸の、スマホをスクロールする右手がストップする。
「…この間は、ごめん。なんだか色んな感情が一気に吹き出して、爆発しちゃったって言うか」
俯き加減。
ゆっくりと、おかずを咀嚼しながら、華夜子は呟く。
「手…痛かったよね」
一週間、ずっと、ずっと、気になっていった。
一週間、ずっと、ずっと、本当は謝りたかった。
箸の動きが止まってしまった華夜子に、陸は自分の左手の甲を、彼女の顔に限りなく近く、差し出した。
彼女の鼻先に、手が触れるくらいに。
ラインを確認してみたり。
大学に来る以外、特段予定なんか入っていないのに、明日の天気予報を調べてみたり。
そんな陸の耳に、消え入りそうな謝罪が届く。
陸の、スマホをスクロールする右手がストップする。
「…この間は、ごめん。なんだか色んな感情が一気に吹き出して、爆発しちゃったって言うか」
俯き加減。
ゆっくりと、おかずを咀嚼しながら、華夜子は呟く。
「手…痛かったよね」
一週間、ずっと、ずっと、気になっていった。
一週間、ずっと、ずっと、本当は謝りたかった。
箸の動きが止まってしまった華夜子に、陸は自分の左手の甲を、彼女の顔に限りなく近く、差し出した。
彼女の鼻先に、手が触れるくらいに。

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