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蕩けるようなキスをして
第58章 真相
そして-刻印を見てしまった。
名前を、知ってしまった。
彼女に指輪を贈ったのは-…。
「陸を裏切る気持ちは、これっぽっちもなかったの。信じて」
物思いに耽る陸の耳に、華夜子の悲痛な声が届く。
陸は笑って、彼女の髪に口付ける。
「そんなの。そんな事、これっぽっちも思っていない。華夜がたった今、俺に話してくれただろ?全部その通りだと思ってる。華夜は俺の何にも思い煩わなくて大丈夫。ちゃんと分かってるから」
華夜子の陸の背に回した手に、力が増した。
自分を頼るこの手は、もう絶対に離さない-陸もまた、彼女を抱く腕に固い決意を籠めた。
「指輪を嵌めてるだけならまだしも。あの数日間は、確かに彼を想って過ごしていたから、陸に対して後ろめたい気持ちがあった。どんな風に説明しても、言い訳にしか聞こえなそうで…言えなかった。でも、後々もっと陸を傷付ける事態になるのなら、最初から言えば良かった。包み隠さず打ち明けてれば良かった。陸を傷付けまいとした事が、結果として裏目に出てしまった。…いっぱい、陸に辛い思いをさせてしまった」
名前を、知ってしまった。
彼女に指輪を贈ったのは-…。
「陸を裏切る気持ちは、これっぽっちもなかったの。信じて」
物思いに耽る陸の耳に、華夜子の悲痛な声が届く。
陸は笑って、彼女の髪に口付ける。
「そんなの。そんな事、これっぽっちも思っていない。華夜がたった今、俺に話してくれただろ?全部その通りだと思ってる。華夜は俺の何にも思い煩わなくて大丈夫。ちゃんと分かってるから」
華夜子の陸の背に回した手に、力が増した。
自分を頼るこの手は、もう絶対に離さない-陸もまた、彼女を抱く腕に固い決意を籠めた。
「指輪を嵌めてるだけならまだしも。あの数日間は、確かに彼を想って過ごしていたから、陸に対して後ろめたい気持ちがあった。どんな風に説明しても、言い訳にしか聞こえなそうで…言えなかった。でも、後々もっと陸を傷付ける事態になるのなら、最初から言えば良かった。包み隠さず打ち明けてれば良かった。陸を傷付けまいとした事が、結果として裏目に出てしまった。…いっぱい、陸に辛い思いをさせてしまった」

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