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蕩けるようなキスをして
第58章 真相
「…ほんと、その通りなんだけどさ。でも改めて華夜の口から『顔だけが取り柄』だなんてそんな事聞かされると、超へこむ」
-そんな風に思われてたんだな、俺。
陸の呟きに、華夜子は弾けるように笑った。
「その時はね」
「…今も昔もなんも変わってねーよ、どーせ」
「拗ねないでよ」
「…拗ねてなんか。子供扱いすんなって」
そういうつもりじゃ-華夜子の言葉は、陸が奪った。
何度しても、彼とのキスは-溶けてしまいそうだった。
「…まさか思ってもみなかった」
ようやく離してもらえた唇で、華夜子は囁く。
「『絶対好きになんかなれない』そう、思っていたひとと、こうしているなんて。そのひとのお蔭で、今こんなに満たされているなんて。あの時は、想像もつかなかった-」
微笑みを湛えた顔で、華夜子は陸を見詰めた。
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