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第58章 真相

「陸がいたから、哀しくなくなった。陸がいたから、指輪をしなくても平気になった」
神様っているの？
「陸に出逢わせてくれた。だから、初めてそう思った－」
神様っているのかも。
神様、いるよ。
神様、いたよ－…。
「…ありがと、陸」
感謝のそれを、呟く。
自分ひとりなら、きっと無理だった。
自分ひとりなら、まだ背負っていた。
あのひととの思い出は、哀しいだけだった。
あのひととの思い出を、辛いものだけにしていた。
それを変えてくれた。
安らかなものに。
穏やかなものに。